彷徨う肖像



Concept

◆立体marker
AR( 拡張現実)というプログラミングを用いて、7体のAR アニメーション作品を制作(人骨、馬、虎、象、鯨、鷹、蝙蝠)。
PCに接続したカメラでマーカーを映しモニターを見ると、マーカー上に予め制作し設定していた3D アニメーションが出現する。マーカーを回転すれば、出現している3DCGもマーカーと同じ向きに回転する。現実世界と仮想世界が連動しており、より脳内リアリティに近い状態になっている。
元々3DCGアニメーションは全面制作されており、ARを用いる事で後面、正面、下面等あらゆる方向から観察する事が出来る。また、カメラをマーカーに近づければモニター全体にアニメートしている3DCGが映り、作品に対する印象を変貌させる。対面構造でアングルは制作者が一方的に決定するTV等とは一線を画す。AR は、カメラが映している現実の世界に、PCで創られた実体の無い制作物を同時表示し、且つ制作物をアニメートする事が出来る。
現実の世界と実体の無いものを一つの画面に同時表示させる事は、人間が思考したり意識が薄い状態にある状況と相似してはいないだろうか。人は思考から夢想まで様々な事項を規制無く成立させている。
今回は新たに、切断された動物が、アニメートしながら霧散し飛び散っていく。しかし、運動が連続いていれば物体が霧散していても運動を感じ取る事が出来る。元々実態ではない3DCGのアニメートから実体の動物の動きを感じていながら、3DCGのアニメートが無くなっても運動を認識しているのである。これは、視覚的に見えなくなっても何かが存在している事を裏付けている。


Exhibition info

切断芸術運動というシミュレーションアート展

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